当事務所の若槻良宏弁護士が信用金庫様の研修会で講師を務めました。
【日時】平成30年2月17日(土) 午前10時~
【テーマ】「新しい特定調停スキームの活用」について
事業者・保証人の再生支援の手法としてどのような施策を採るべきか、事業者の状態別に採りうる手段を示した上で、再建型私的整理手続について詳細に説明しました。
私的整理手続については、①取引債権者を巻き込まない、②裁判外の手続により、迅速・柔軟な対応が可能となるというメリットがある一方、
①対象債権者全員の同意が必要になり、多数決によっても反対債権者を拘束できない、②裁判所による手続関与がなく、手続の公正性を担保する仕組みがないとのデメリットがあります。
本研修会では、このデメリットを解消する手法として、公正中立な第三者の関与のもと、一定の準則(ルール)に基づき、私的整理を進めていく方法(準則型の私的整理手続)について説明しました。
<準則型の私的整理手続>
①中小企業再生支援協議会による再生支援スキーム
②事業再生実務家協会による特定認証ADR手続(事業再生ADR)
③地域経済活性化支援機構(REVIC)による再生支援スキーム
④整理回収機構(RCC)による再生支援スキーム
⑤私的整理ガイドラインに基づく再生支援スキーム
⑥裁判所の特定調停による再生支援スキーム
地方の中小企業については、①と⑥が有用だと考えられるところですが、本研修会では主に⑥について説明し、実際取り扱った事例についても紹介しました(参考→日弁連セミナー、「季刊 事業再生と債権管理」)。
また、経営者が早期の再生着手の決断をできない理由の一つに、「自身が保証債務を負っていること」がありますが、この問題についても、「経営者保証に関するガイドライン」を利用して一体的に整理する方法を説明しました。
再生支援においては、債務者、金融機関、専門家等がコミュニケーションをとり、手遅れにならないような対応が必要となります。
このような研修会を通じて、共通認識を確認し、連携強化に繋げていければと思います。
※当事務所では、企業内における研修会等の講師派遣も行っております。お気軽にご相談ください。