こんにちは、青山通信です。
今回から、定期的に「意外と知らない豆知識」シリーズを配信していきたいと思います。
まず第1弾は、「実印と印鑑登録証明書の持つ意味」です。
皆様こんにちは。 弁護士の吉川です。
昔から「実印はやたらと押すものではない」などと言われることもあり、実印とその印鑑登録証明書は重要なものであることを認識されていらっしゃる方は多いと思いますが、今回は改めて実印と印鑑登録証明書の持つ意味についてお伝えしたいと思います。
1 実印と印鑑登録証明書
実印とは、住所地の市町村で印鑑登録されている印鑑を指します。
そして、登録した印鑑について市町村が交付する証明書が印鑑登録証明書です。
なお、上記は個人の印鑑についての説明ですが、法人の場合には法務局で取り扱っている印鑑証明制度が存在します。
2 実印と印鑑登録証明書の重要性
では、具体的に実印と印鑑登録証明書はどのように重要なのでしょうか。
何らかの契約を締結するにあたって契約書を作成し、実印での押印と印鑑登録証明書の添付があったとします。
民事訴訟法の解釈では、当該文書にある印影が本人の印鑑により顕出された場合には、原則として印影が本人の意思に基づいたものと推定されるので、その結果、文書全体が本人の意思に基づいて作成されたものと推定されることになります(民事訴訟法228条4項)。
本人の印鑑とは実印に限るものではないですが、実印は認印と異なり公的に登録している印鑑ですので、より強力な証明手段になりえます。
そして、印鑑登録証明書の添付により実印であることも証明できます。
そうなると、例えば実印が盗まれるなどして本当は本人が契約書の内容に同意していなかったという場合でも、覆すことは容易ではありません。
3 おわりに
このような実印と印鑑登録証明書の重要性からすれば、実印の取扱いは慎重にした方がよく、また重要な書面の作成には実印による押印を要求したほうがよいといえます。