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債権回収における民法改正の影響

青山通信」をお届けします。

今回のテーマは「民法改正」です。

 


 

こんにちは、弁護士の増子です。

 

 

2017年6月2日、改正民法が公布されました。

 

 

施行日は、「公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」とのことですので、遅くとも2020年6月には施行となります。

2020年(令和2年)4月1日から施行されます!

 

そこで、今回は、改正民法の規定の中でも「債権回収」に関連する「時効」についての改正点についてご紹介しようと思います。

 

 

 時効管理は債権管理の基本であり、時効消滅していないことが債権回収の大前提です。

現行民法の規定では、一般債権の消滅時効期間は、債権者が権利を行使できる時から10年間(民法167条1項)ですが、改正民法では「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間」となります(改正民法166条)。

 

 

現行民法では「債権者が権利を行使できる時」が時効の起算点となっているのに対して(客観的起算点)、改正民法では「債権者が権利を行使することができると知った時」が時効の起算点となっています(主観的起算点)。

 

 

 

こうなると「改正民法の規定では、債権者が「知らなかった」と言えばいつまでも時効は進行しないのでは?」と思われるかもしれません。

 

 

 

しかし、契約であれば、基本的に契約時に履行期を定めるのが通常ですから、債権者において権利が行使できる時期については当然に認識していると考えられるので、客観的起算点と主観的起算点は一致するはずです。

 

 

仮に、契約書に履行期が記載してあるにもかからず、債権者が「知らなかった」と主張しても、これは通用しないでしょう。

 

 

 

したがって、一般債権については、基本的に消滅時効期間は10年から5年になったと考えれば結構です。

 

 

 

また、現行民法では、170条以下において職業別に短期消滅時効を定めていますが、改正民法では、この短期消滅時効に関する規定は削除され、改正民法166条の規定により、消滅時効期間は一律5年間となります。

 

 

会社の定型の契約書等において民法の規定どおりに消滅時効について規定している場合、契約書の変更が必要となりますのでご注意ください。

 

 

 

もちろん当事務所にもお気軽にご相談ください!