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パワハラがあった場合、会社が負う責任は?

皆様、こんにちは。
今回の青山通信は「職場におけるパワハラ対策」です。

 

 


 

 

皆様こんにちは。弁護士の上遠野です。

今回は、職場のハラスメントのうちパワハラ対策に関する情報をお届けしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

1 パワハラとは

 

ハラスメントには、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシュアル・ハラスメント(セクハラ)、マタニティ・ハラスメント(マタハラ)等様々な類型があります。

 

 

このうち、職場におけるパワーハラスメントとは、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的、身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます。

 

 

 

 

 

 

 

2 会社の責任は?

 

 職場において、パワハラによる違法行為が行われた場合、加害者が責任を負うだけでなく、会社がパワハラ行為を知りながら放置していたような場合は、会社の責任も問われることになります(使用者責任、安全配慮義務、職場環境配慮義務等)。

 

 

 

 

 

 

3 会社として行うべきパワハラ対策は?

 

パワハラは、指導なのか人権侵害なのかの判断が非常に難しく、パワハラであると言われることを恐れて、上司が部下への指導を委縮してしまうケースも見受けられます。

 

 

しかし、人材育成や企業秩序を維持するためには、必要な指導は行わなければなりません。

企業がとるべき対策としては、企業においてパワハラにあたる行動をマニュアル化し、その内容を職場に周知すること、担当者は指導するにあたってマニュアルを参考にした指導を行うことを徹底することで、パワハラとされるリスクを減らせます。

 

 

また、相談(苦情)に応じ、適切に対応するための相談窓口をあらかじめ定める等の対策も有用です。

 

 

パワーハラスメント予防に向けて取り組むにあたっては、厚生労働省作成の「パワーハラスメント対策導入マニュアル」が参考になります。  

 

 

企業としては、パワーハラスメントと適正な業務上の指導の違いを明確にし、適切な業務上の指導はパワーハラスメントにならないことを周知し、適切な業務上の指導かパワーハラスメントかが問題となった事例を説明する等の教育、研修が実務上は非常に有益です。

 

 

 

 

 

 

 

当事務所では、具体的な案件のほか、マニュアル作成や研修等の講師派遣についても対応いたします。

ぜひご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

【参考判例】

 

東京高等裁判所平成25年2月27日判決 労判1072号5頁

お酒に極めて弱い体質であるにもかかわらず飲酒を強要、前日の飲酒による体調不良の状態での運転の強要、帰社命令に従わず直帰したことに対して、深夜、複数回にわたって怒りをあらわに非難した行為、「ぶっ殺すぞ」などという言葉を用いてののしり、辞職を強いるかのような発言をしたこと等を違法なパワハラと判断。

 

 

古屋地裁平成26年1月15日判決 労働判例1096号76頁

会社の代表取締役であるAが社員Bに対して、仕事上のミスについて「てめ、何やってんだ」「どうしてくれるんだ」「ばかやろう」等と汚い言葉で大声で怒鳴ったり、頭を叩いたり、殴る、蹴る行為のほか、仕事上のミスに対して損害を賠償するように求めたり、退職願を書くように強要した行為について違法な行為と判断。