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賃料増額請求が届いたら?知っておきたい法的ルールと対処法

皆様、こんにちは。
今回のコラムは、賃料増額請求に関する情報をお届けします。

 

 


 

 こんにちは、弁護士の柴澤です(プロフィールはこちら)。

 

 

 賃貸物件に住んでいる、あるいはオフィスを借りている際、突然届く「賃料増額のお願い」。驚きや戸惑いを感じる方も多いはずです。しかし、請求が来たからといって、すぐに言われるがままの金額を支払わなければならないわけではありません。

 

 今回は、賃料増額請求を受けた際の正しい向き合い方と、法的なプロセスについて分かりやすく解説します。

 

 

賃料増額請求が届いたら?知っておきたい解決までのステップ

 

 

 賃貸人(オーナー)から賃料増額の意思表示があった場合、解決までは大きく分けて「協議」「調停」「訴訟」の3つのフェーズがあります。

 

 

1 まずは「話し合い」から:当事者間での協議

 

(1)そもそも「増額」が認められる条件とは?

 

 オーナーが賃料を上げたいと言っても、どんな理由でも認められるわけではありません。以下の①~③のいずれかが必要です(借地借家法32条1項)。

 

①不動産に対する租税その他の負担が増えた場合

 

②不動産価格の変動などの経済事情の変動

 

③近隣の賃料相場との比較から不相当になった場合

 

 なお、契約書に「一定期間は賃料を増額しない」という不増額特約がある場合、その期間内はオーナー側からの増額請求は認められません。まずは契約書を見直してみましょう。

 

(2)増額の要件を満たす場合

 

 増額請求は、オーナー側の意思表示が届いた時点で法的効果(形成権)が発生するとされていますが、具体的な金額は話し合い(協議)で決めるのが基本です。双方が納得して合意に至れば、その金額で契約が更新されます。

 

 

 

2 まとまらない場合は「裁判所」へ

 

(1)民事調停

 

 話し合いが平行線に終わった場合、すぐに裁判…とはなりません。いきなり訴訟を起こすことはできず、まずは専門家を交えた「民事調停」で解決を図る必要があります(調停前置主義。民事調停法24条の2)。

 

(2)訴訟 

 

 調停でも決着がつかない場合に初めて「訴訟」へ移行します。ここでは裁判所が選任した不動産鑑定士が、客観的なデータに基づき「妥当な賃料」を算出します。

 

 

 

3 争っている間の家賃はどうすればいい?

 

 裁判や調停で額が確定するまでは、賃借人は「相当と認める金額」を支払えば足りるとされています(借地借家法32条2項)。これを続けている限り、たとえ後から増額が決定したとしても「家賃未払い」を理由に契約を解除されることはありません。一般的には、従前の賃料を支払えば不相当とは認められないと考えられます。

 

 

 

4 決着がついた後の「精算」と「利息」

 

 最終的に増額が確定した場合、これまでの差額をまとめて精算する必要があります。ここで注意したいのが利息です。

 

不足額の支払い: 確定した新賃料と、これまで支払っていた額の差額を支払います。

 

年1割の利息: この不足分には、法律に基づき年10%(1割)という高い利率の利息を上乗せして支払う義務が生じます(借地借家法32条2項ただし書)。

 

 

 賃料増額請求は、感情的にならず、まずは冷静に「その増額に客観的な根拠があるか」を確認することが大切です。